褥瘡評価DESIGN-Rの正しい付け方|2020改訂の変更点と現場のコツ

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褥瘡評価DESIGN-Rの正しい付け方|2020改訂の変更点と現場のコツ
褥瘡評価DESIGN-Rの正しい付け方|2020改訂の変更点と現場のコツ
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🎵 褥瘡評価DESIGN-Rの正しい付け方|2020改訂の変更点と現場のコツ

臨床現場や介護福祉の最前線において、褥瘡(床ずれ)の重症度や治癒過程を正確に把握するための共通言語となっているのが「DESIGN-R(デザインアール)」です。2020年の大幅改訂から数年が経過した現在、電子カルテへの導入や多職種連携ツールとしての活用は完全に定着しました。しかし日々の看護記録や経過観察の中で、「深さの判定に迷う」「ポケットの正しい測り方が分からない」「浸出液のスコア付けがスタッフ間でズレてしまう」といった実践上の課題に直面するケースは依然として少なくありません。

日本褥瘡学会が策定したこの評価スケールは、基準を正しく理解し客観的なアセスメントを行ってこそ、適切な局所処置やドレッシング材の選定、さらにはチーム全体でのケア向上へと直結します。本稿では、DESIGN-R 2020の改訂ポイントから各項目の採点基準、現場で迷いやすい計測のコツまでを体系的に解説します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:DESIGN-Rは褥瘡の重症度分類と経過を数値化する世界水準のスケールであり、深さ(D)を除く合計点(0〜66点)が低くなるほど治癒へ向かっていることを示す。
  • 要点2:2020年改訂では深さ(D)に「深部損傷疑い(dDU)」と「判定不能(dDN)」が追加され、感染(I)項目に「臨界的定着(Critical Colonization)」の概念が明記された。
  • 要点3:発生リスクを測る「ブレーデンスケール」と混同せず、各構成要素の客観的基準をチームで統一することが最適なドレッシング材選択と治癒期間短縮の鍵となる。

【基礎知識】DESIGN-Rとは?ブレーデンスケールとの決定的な違い

DESIGN-Rは、日本褥瘡学会が開発した褥瘡の経過評価スケールです。創面の状態を7つの観察項目に細分化し、それぞれの頭文字をとって命名されています。

アルファベットの表記には明確なルールがあり、軽度な状態や経過観察レベルを「小文字(d, e, s, i, g, n, p)」、重度で積極的な介入を要する状態を「大文字(D, E, S, I, G, N, P)」で表します。これにより、創の概要を一目で把握できる仕組みになっています。

臨床現場で初学者が混同しやすいのが「ブレーデンスケール」との役割の違いです。両者は使用する目的とフェーズが根本的に異なります。

スケール名称使用する目的評価タイミングと対象
ブレーデンスケール褥瘡の「発生リスク予測」(予防アセスメント)入院・入所時、全身状態変化時(褥瘡がない患者も含む)
DESIGN-R発生した褥瘡の「重症度分類・治癒過程評価」褥瘡発生後、定期的な処置時・記録時(週1回以上の定点観察)

ブレーデンスケールでリスクを洗い出し、万が一褥瘡が発生してしまった場合はDESIGN-Rに切り替えて治癒過程をスコア判定していく、という使い分けが看護計画の基本原則です。

【重要】DESIGN-R 2020改訂のポイント|DTI疑いと臨界的定着の新基準

日本褥瘡学会は臨床知見の蓄積と国際基準との整合性を図るため、2020年に評価基準のアップデートを行いました。現在使われている「DESIGN-R 2020」における最大の改訂ポイントは、深さ(Depth)の新設項目と感染(Inflammation/Infection)の評価概念の刷新です。

従来のスケールでは分類が難しかった創傷に対し、以下の2つの深さ区分が新たに追加されました。

  • dDU(深部損傷疑い / Suspected Deep Tissue Injury):皮膚表面の破綻は軽微または水疱・紫斑の状態であるが、皮下深部の軟部組織に重大な損傷が生じている疑いがある状態。
  • dDN(判定不能 / Unstageable):創底が厚い壊死組織(黒色期や黄色期)に覆われており、視診や触診では実際の深さを測定できない状態。

また、感染項目(I)においては、明らかな局所感染(発赤・腫脹・熱感・疼痛・排膿)の手前段階である「臨界的定着(クリティカルコロニゼーション)」が評価基準に組み込まれました。創面にバイオフィルムが形成され肉芽が脆弱化している兆候を捉えることで、早期の抗菌・洗浄ケアへ移行できるよう設計されています。

【完全網羅】各項目の採点基準と褥瘡評価シートの正しい付け方

DESIGN-Rの合計スコアは、深さ(D)を除外した「E・S・I・G・N・P」の6項目の合計点(0点〜66点)で算出します。点数が高いほど重症であり、治癒に伴ってスコアが減少していきます。

項目(頭文字)評価内容・状態の目安配点(重症度配点)
D:深さ
(合計点には含めない)
d0:皮膚損傷なし / d1:持続する発赤 / d2:真皮まで / d3:皮下組織まで / d4:筋肉・骨・関節包まで / d5:体腔まで / dDU:DTI疑い / dDN:判定不能区分のみ記載
(重症度判定用)
E:浸出液e0:なし / e1:少量(毎日の交換不要) / E3:中等量(1日1回交換) / E6:多量(1日2回以上の交換を要する)0, 1, 3, 6 点
S:大きさ長径×長径に直交する最大径(㎠)
s0:0 / s3:4未満 / s6:4以上16未満 / S8:16以上36未満 / S9:36以上64未満 / S12:64以上100未満 / S15:100以上
0, 3, 6, 8, 9, 12, 15 点
I:炎症/感染i0:局所兆候なし / i1:局所の炎症徴候(発赤・腫脹等) / I3:臨界的定着疑い・局所感染 / I9:全身的影響あり(発熱・CRP上昇等)0, 1, 3, 9 点
G:肉芽組織創底における良性肉芽の占める割合
g0:創閉鎖 / g1:90%以上 / g3:50%以上90%未満 / G4:10%以上50%未満 / G5:10%未満 / G6:肉芽形成なし・創が浅い
0, 1, 3, 4, 5, 6 点
N:壊死組織n0:なし / n3:柔らかい壊死組織(黄色等)あり / N5:硬く厚い壊死組織(黒色等)あり / N6:創全体を覆う壊死組織0, 3, 5, 6 点
P:ポケットポケット面積=(ポケットを含む全体の長径×短径)−(創面の長径×短径)
p0:なし / p6:4未満 / P9:4以上16未満 / P12:16以上36未満 / P24:36以上
0, 6, 9, 12, 24 点

深さ(D)を合計点から除外する理由は、深さが一度深部(皮下や筋肉)に達した場合、肉芽が上がって浅くなっても解剖学的な組織欠損の履歴がリセットされるわけではないためです。経過評価のスコア変動を正しく反映させるため、Dは「重症度の独立した基準」として扱われます。

【現場で迷うポイント】ポケット計測方法と壊死・肉芽組織の評価テクニック

日々の看護記録で最も評価者間のブレが生じやすいのが、「ポケットの計測」と「肉芽・壊死組織の割合評価」です。

1. ポケットの正しい計測手順

ポケットの測定時は滅菌プローブや滅菌綿棒を愛護的に挿入し、皮膚の下に潜り込んでいる最深部を確認します。記録時は時計盤に見立てて「2時から6時方向に深さ2.5cmのポケットあり」のように時角で記載するのが現場の基本です。

面積計算は、「ポケットを含めた全体の最大長径×それに直交する最大径」から「ポケットを除いた創面自体の長径×短径」を差し引いて算出します。目分量で推測せず、メジャーを用いて実測することがスコアのブレを防ぐ唯一の方法です。

2. 肉芽組織(G)と壊死組織(N)の鑑別ポイント

創面には良性肉芽、不良肉芽、黄色壊死組織、黒色壊死組織が混在することが多々あります。

  • 良性肉芽:鮮紅色で均一、表面に細かい顆粒状の凹凸があり、適度な湿潤と弾力性がある状態。
  • 不良肉芽:暗赤色または淡いピンク色で浮腫状、崩れやすく出血しやすい状態(臨界的定着の疑い)。
  • 壊死組織の付着:創底にへばりついた線維素や黄色〜灰褐色のデブリスは壊死組織(N)としてカウントし、良性肉芽の面積比率から除外して評価します。

【治療・ケアへの直結】合計スコア判定と褥瘡ドレッシング材の選択基準

DESIGN-Rで得られたスコアは、単なる記録にとどまらず「次の治療方針と被覆材(ドレッシング材)の選定」に直結します。創の状態変化に応じた適切な材料選択が、組織再生スピードを大きく左右します。

創の状態(DESIGN-R指標)治療の主目的推奨されるドレッシング材・外用薬
黒色・黄色壊死(N5〜N6)
浸出液:少〜中
自壊・融解促進(化学的デブリードマン)、軟化ハイドロゲル、ブロメライン軟膏、スルファジアジン銀(感染時)
感染・臨界的定着(I3〜I9)
浸出液:多量
抗菌・抗炎症、バイオフィルム除去、排液管理カデキソマーヨウ素、銀含有抗菌ドレッシング、イソプロピルアンチピリン等
肉芽増殖期(G4〜g3)
浸出液:中〜多量
湿潤環境の維持、過剰な浸出液の吸収・保護ポリウレタンフォーム、アルギン酸塩、ハイドロファイバー
上皮化期(g1〜創閉鎖)
浸出液:少量
上皮細胞の遊走促進、物理的刺激からの保護ハイドロコロイド、ポリウレタンフィルム、薄型フォーム

DESIGN-R合計点が週単位で減少傾向にあれば現在のケアが奏効していると判断できます。逆にスコアが横ばいまたは悪化している場合は、除圧マットの見直し、ポジショニングの再検討、低栄養状態(アルブミン値等)の改善など、多角的な介入プランの再構築が求められます。

【褥瘡 デザイン r】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:DESIGN-Rの合計点に「深さ(D)」の点数が含まれないのはなぜですか?
A1:深さは創傷の基礎的な重症度を示す重要な指標ですが、一度皮下組織や筋肉まで到達した深部褥瘡は、肉芽が盛り上がって浅くなっても組織学的な損傷既往が変わるわけではありません。深さを点数化して合算すると治癒過程の繊細な変化(浸出液の減少や肉芽の改善)が数値に正しく反映されにくくなるため、Dは独立した分類コードとして扱い、経過スコアはE〜Pの合計で評価します。

Q2:DTI疑い(dDU)と判定された場合、現場ではどのように対応すべきですか?
A2:dDU(深部損傷疑い)は外見上は軽微な紫斑や水疱に見えても、皮下で広範な組織壊死が進行している可能性があります。この段階で絶対に避けるべきなのは「強いマッサージ」や「無理な減張切開」です。速やかに十分な体圧分散寝具を導入し、患部への剪断力を完全に取り除いた上で、日々の色調変化や硬結の拡大を厳密にモニタリングしてください。

Q3:評価シートの記入はどのくらいの頻度で実施するのが理想的ですか?
A3:急性期病院や状態変化が著しい時期は「週に1回」の定点評価が標準とされています。慢性期病棟や介護保険施設、在宅療養では、最低でも「2週に1回〜月に1回」、または創の状態が急変(浸出液の急増、感染兆候、壊死組織の拡大等)したタイミングで再評価を実施することが推奨されます。

まとめ:DESIGN-Rを使いこなし個別最適な褥瘡ケアの実現へ

DESIGN-Rは単なる看護記録用のスコアリングシートではなく、患者の創傷状態をチーム全体で正確に共有し、エビデンスに基づいた最適な処置を選択するための極めて実用的な羅針盤です。

2020年改訂で明確化されたdDUやdDN、臨界的定着の視点を取り入れることで、従来は見落とされがちだった深部損傷や微細な感染リスクに対しても迅速なアプローチが可能になりました。客観的でブレのない採点基準をスタッフ間で共有し、患者一人ひとりの治癒過程に寄り添った個別最適な褥瘡ケアを推進していきましょう。 (出典: 褥瘡 デザイン r(Yahoo!ニュース))

褥瘡 デザイン r
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