パストラミとはどんな肉?ローストビーフとの違いや絶品レシピを徹底解説
カフェのサンドイッチやデリカテッセンのショーケースで見かける、黒胡椒がピリッと効いた芳醇な肉「パストラミ」。鮮やかな赤身の美しさとスモーキーな香りが食欲をそそる一方で、「ローストビーフや生ハム、コンビーフと何が違うのか」「そもそも何の肉なのか」を正確に説明できる人は意外と多くありません。
パストラミは、単なるスパイシーなハムではなく、数百年以上にわたる保存食の知恵と独自の燻製技術が生み出した極上の食肉加工品です。この記事では、食品流通の最新データや本場ニューヨークの食文化を踏まえ、パストラミの定義や製法、他の肉料理との明確な違い、発祥のルーツから家庭で即実践できる極上レシピまで徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:パストラミとは「塩漬け・乾燥・スパイス風味付け・燻製」の4工程を経て作られる風味豊かな食肉加工品。
- 要点2:ローストビーフは「非燻製の焼き肉料理」、生ハムは「非加熱の長期熟成」、コンビーフは「煮込み」であり製法が全く異なる。
- 要点3:牛赤身を使ったパストラミビーフは高タンパク・低糖質でボディメイクにも好相性。本場のルーベンサンドで真価を発揮する。
【徹底解剖】パストラミとは一体どんな肉?塩漬けから燻製までの伝統製法
パストラミ(Pastrami)とは、主に牛肉の塊肉(ブリスケットと呼ばれる肩ばら肉や赤身肉)を香辛料と塩でじっくり漬け込み、乾燥・燻製を施して作られる食肉加工品です。外周にびっしりとまぶされた黒粒胡椒やハーブの刺激と、燻煙(スモーク)の深いアロマ、そして噛むほどに溢れ出す凝縮された肉の旨味が最大の特徴です。
現在では牛肉を用いた「パストラミビーフ」が王道として知られますが、豚肉を使った「パストラミポーク」や、鴨肉(合鴨)、ターキー(七面鳥)で作られたものも広く流通しています。いずれも共通しているのは、特有の「パストラミ燻製製法」にあります。
パストラミが完成するまでの4つの基本工程
食品製造の現場や本場デリカテッセンにおいて、パストラミは以下の厳密なプロセスを経て仕込まれます。
- 1. 塩漬け(Curing):原料肉を食塩や香味野菜、調味液に数日間〜数週間じっくり漬け込み、余分な水分を抜きながら内部まで味を浸透させます。
- 2. 風乾(Drying):塩抜き後に表面をしっかりと乾燥させ、煙が乗りやすい下地を整えます。
- 3. スパイスコーティング(Spicing):肉の表面全体に、パストラミスパイス調味料(粗挽きブラックペッパー、コリアンダーシード、ガーリックパウダー、パプリカ、オールスパイスなど)を贅沢にまぶします。
- 4. 燻製と加熱(Smoking & Steaming):低温でじっくり燻煙をかけた後、蒸気でしっとり加熱して仕上げます。この燻製とスチームの掛け合わせにより、ジューシーで柔らかい食感が生まれます。

【決定版】ローストビーフ・コンビーフ・生ハムとの違いを比較検証
スーパーや飲食店のメニューで混同されやすい「ローストビーフ」「コンビーフ」「生ハム」。これらは一見似たスライス肉に見えますが、使用する部位や加熱・燻製の有無、調理のアプローチが根本的に異なります。
| 肉の種類・品目 | 主な原材料・部位 | 製造プロセス・製法 | 風味・食感の決定打 |
|---|---|---|---|
| パストラミ | 牛肉(主にブリスケット・もも肉)、豚肉 | 塩漬け → スパイス塗布 → 燻製・スチーム | 強いスモーク香と粗挽き胡椒・ハーブの刺激 |
| ローストビーフ | 牛肉(もも肉、サーロインなど) | 下味をつけてオーブン等で低温焼き上げ(非燻製) | 赤身本来の肉汁と柔らかな食感、タレで食べる |
| コンビーフ | 牛肉(ばら肉やすね肉など) | 塩漬け肉を長時間煮込み、繊維状にほぐす | ホロホロに崩れる繊維感と濃厚な牛脂のコク |
| 生ハム(プロシュート等) | 豚肉(主に豚もも肉) | 塩漬け後に数ヶ月〜数年乾燥・自然熟成(非加熱) | 長期熟成による芳醇なアミノ酸の旨味と塩気 |
ローストビーフとの違い:燻製工程とスパイスの有無
ローストビーフとの違いは、調理法と香りの構成にあります。ローストビーフは生の塊肉をオーブンなどで蒸し焼きにした「料理」であり、燻製は行いません。肉本来のしっとりした食感と肉汁をグレイビーソース等で味わいます。一方のパストラミは、スパイスを肉の表面にまぶしてスモークをかけるため、保存性が高くパンチの効いたスモーキーな香りを持ちます。
コンビーフとの違い:煮込みか、燻製スライスか
コンビーフとの違いは、原型を保っているかどうかと調理手順です。英語の「Corned Beef(塩漬け牛肉)」が語源であるコンビーフは、塩漬けした肉をホロホロになるまでボイルし、繊維をほぐして油脂とともに固めたものです。パストラミはコンビーフと同じく塩漬け牛肉を出発点としながらも、煮込まずに燻煙とスチームで仕上げ、薄切りにして食す点が決定的に異なります。
生ハムとの違い:豚肉の非加熱熟成か、加熱燻製か
生ハムとの違いは、加熱処理と原材料にあります。一般的な生ハム(プロシュートやハモン・セラーノ)は豚もも肉を長期間かけて乾燥・熟成させる「非加熱食肉製品」です。パストラミは牛肉を中心に多様な肉が使われ、スパイス塗布後に熱風やスチームを伴う燻製加熱が行われます。
【歴史とルーツ】トルコからNYへ渡ったパストラミ発祥の歴史
パストラミの起源を辿ると、古代の遊牧民文化と東欧の歴史が交差する壮大なドラマが見えてきます。
「パストラミ発祥の歴史」のルーツは、オスマン帝国時代のトルコで作られていた保存食「パストゥルマ(Pastırma)」にあるとされています。騎馬民族が馬の鞍の下に肉の塊を挟み、体重の圧力で水分を抜きながら運んだ干し肉が原型といわれ、これがルーマニアやモルドバなどの東欧地域に伝播しました。
19世紀後半、ルーマニアからアメリカ・ニューヨークへ渡ったユダヤ系移民たちによって、この伝統的な保存肉料理はアメリカの地へと持ち込まれました。当時、安価で手に入りやすかった牛のブリスケット肉を使い、ユダヤ教の食事規定(コーシャ)に適合する形で改良されたものが、今日世界中で愛される「ニューヨーク・パストラミ」の誕生です。マンハッタンの老舗「カッツ・デリカテッセン(Katz's Delicatessen)」などの名店がメディアに登場したことで、パストラミはアメリカ都市文化の象徴的アイコンとなりました。

【実態検証】プロの味を自宅で楽しむ食べ方と名作「ルーベンサンド」
市販のパストラミビーフやパストラミポークを家庭で最高に美味しく味わうための「パストラミの食べ方」と、絶対に外せない看板サンドイッチを紹介します。
1. 究極の定番「パストラミサンドイッチ」と「ルーベンサンド」
本場ニューヨークのデリで最も注文されるのが、薄切りパストラミをこれでもかと山盛りに挟んだパストラミサンドイッチです。その中でも最高峰と称されるのが「ルーベンサンド」です。
- パン:香ばしいライ麦パン(ライブレッド)を使用。
- 具材:たっぷりの温かいパストラミビーフ、酸味の効いたザワークラウト(キャベツの酢漬け)、とろけるスイスチーズ(またはエメンタールチーズ)。
- ソース:ロシアンドレッシング(またはサウザンアイランドドレッシング)。
- 仕上げのコツ:フライパンにバターを溶かし、外側のパンがきつね色のクリスピーになるまで両面をホットサンド状に焼き上げるのがプロの技です。
2. ワインやハイボールを引き立てるおつまみアレンジ
パストラミはそのままお皿に盛り付けるだけでも上質なおつまみになりますが、以下の組み合わせでさらに風味が引き立ちます。
- クリームチーズロール:パストラミでクリームチーズとスプラウトを巻き、オリーブオイルを少量垂らす。
- 大人のポテトサラダ:角切りや粗めにちぎったパストラミをポテトサラダに混ぜ込み、黒胡椒とマスタードを効かせる。
- 濃厚カルボナーラ:ベーコンやパンチェッタの代わりにパストラミポークを使用し、スモーキーなアクセントを加える。
【栄養と健康】パストラミカロリー糖質の実態と賢い選び方
健康志向やボディメイクに取り組む人にとって、加工肉の栄養素バランスは気になるところです。パストラミカロリー糖質の実態を精査すると、非常に優れた一面と注意すべきポイントが見えてきます。
高タンパク・低糖質で糖質制限には極めて優秀
パストラミビーフ(赤身主体のもの)の栄養データを見ると、100gあたりエネルギー約150〜190kcal、タンパク質約20〜22g、糖質は1〜2g未満と極めて低糖質です。調味に砂糖を大量に使用しないため、ケトジェニックダイエットや糖質制限中のタンパク質補給源として非常に適しています。
注意点は「塩分量」と「脂質の質」
一方で、保存食をルーツに持つため、100gあたりの食塩相当量は約2.5〜3.5g前後と高めです。日常的に多量摂取するとナトリウム過多につながる懸念があるため、たっぷりの生野菜(カリウムを含むレタスやトマト)と一緒にサンドイッチやサラダとして食べるのが理想的な摂取法です。

一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上の口コミやSNSでは、「パストラミは加熱せずに生で食べて大丈夫なのか」「安価なハムに黒胡椒を振っただけのものと何が違うのか」といった疑問が頻繁に見受けられます。
誤解1:「パストラミは生肉だから危険?」
パストラミの断面は鮮やかな赤色をしているため生肉のように見えますが、日本の食品衛生法に基づく基準を含め、適切に塩漬け・燻製・加熱殺菌処理が施された「加熱食肉製品」または「特定加熱食肉製品」です。パッケージから出してそのまま安全に美味しく食べられます。
誤解2:「ペッパーハムとパストラミは同じ?」
市販品の中には、通常のボンレスハムに黒胡椒をまぶしただけの「ペッパーハム」をパストラミ風として販売しているケースがあります。しかし、本物のパストラミはブリスケットなどの赤身肉を使い、コリアンダーやガーリックを含む複合スパイスでコーティングして燻煙を深く浸透させたものです。原材料表示の「牛肉」「香辛料抽出物だけでなくホール・クラッシュスパイスの使用」を確認すると本物を見極められます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
パストラミを選ぶべき人:
- 赤身肉の力強い旨味とスモーキーな香辛料の風味を愛する人
- 糖質を抑えつつ良質なタンパク質を効率的に摂取したいダイエッター
- ワイン、クラフトビール、ウイスキーに合う本格的なオードブルを探している人
慎重に選ぶ・摂取量を抑えるべき人:
- 高血圧などで厳格な減塩管理を行っている人(薄切り数枚に留める工夫が必要)
- 強いスパイス刺激(黒胡椒の辛味やハーブ香)が苦手な小さな子ども
【パストラミ と は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:パストラミは温めて食べたほうが美味しいですか?
A1:冷たいままでも美味しいですが、本場ニューヨーク流のように軽くスチーム(蒸す)するか、サンドイッチにしてトーストし、脂がほんのり溶け出す温度まで温めると、肉質が劇的に柔らかくなりスパイスの香りが倍増します。
Q2:パストラミビーフとパストラミポークの使い分けは?
A2:ビーフは肉の味が濃厚でスモーキーさが際立つため、ボリュームのあるサンドイッチや赤ワインのお供に最適です。ポークは脂の甘みとジューシーさがあり、サラダのトッピングやパスタ、日常の朝食プレートによく馴染みます。
Q3:開封後の保存方法と日持ちの目安は?
A3:スライスパックを開封した後は空気に触れると酸化が進みやすいため、ラップで空気が入らないよう密着包装し、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵保存してください。開封後は2〜3日以内に食べ切るのが理想です。
まとめ:パストラミの魅力を知って食卓をワンランク格上げする
パストラミは、塩漬け・スパイス・燻製という伝統技術が結実した、奥深い歴史を持つ食肉加工品です。ローストビーフの上品さや生ハムの塩気とは一線を画す、ガツンと響くスパイスの刺激とスモーキーな芳香は、一度その魅力にハマると手放せなくなる魔力を持っています。
手軽に購入できるスライスパックを使って、自宅で焼きたてのルーベンサンドを作ったり、お気に入りのお酒と合わせたりするだけで、いつもの食卓が本場デリカテッセンのような華やかさに変わります。ぜひ今夜のメニューに、本格的なパストラミを取り入れてみてください。 (出典: パストラミ と は(Yahoo!ニュース))