BTSがグラミー賞を獲れなかった真相とは?歴史的偉業と選考の壁を検証
2025年までにメンバー全員が兵役の義務を完了し、2026年を迎えた今、世界中から完全体としての本格的な活動再開に熱い視線が注がれているBTS。グローバルポップシーンの頂点に君臨し、ビルボードチャートを幾度も席巻してきた彼らですが、音楽界最高峰の栄誉であるグラミー賞においては、幾度となく有力視されながらもトロフィーを逃し続けてきました。
なぜ世界的人気を誇る彼らが一度もグラミーの栄冠を手にできなかったのか。そこには単なる楽曲の優劣にとどまらない、音楽産業の権威主義やレコーディング・アカデミーの構造的な問題が潜んでいます。これまでの輝かしい足跡を振り返るとともに、未だ議論が絶えない受賞不発の真相を鋭く紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:BTSは計3年連続・通算5回以上のノミネートを果たしたものの、主要部門を含む受賞には至っていない。
- 要点2:歴史を塗り替えたパフォーマンスで圧倒的評価を集めた一方、投票会員の高齢化・保守性やボーイバンド軽視の壁に阻まれた。
- 要点3:メンバーのソロ活動を経て完全体となった2026年以降、グラミー賞という既存の枠組みを超えた彼らの再挑戦に世界の期待が集まる。
【ノミネート歴】プレゼンター登壇から3年連続ノミネートまでの栄光の歩み
アジア発のポップグループとして前人未到の記録を打ち立ててきたBTSグラミー賞ノミネート歴を振り返ると、彼らが一歩ずつ扉を押し開けてきた過程が鮮明に浮かび上がります。端緒となったのは、2019年の第61回グラミー賞でした。韓国のアーティストとして初めてBTSグラミー賞プレゼンターとして壇上に立ち、「また戻ってきます」と言い残した言葉は、世界の音楽ファンに強烈なインパクトを与えました。
翌2020年の第62回では、リル・ナズ・Xとのコラボレーションステージでパフォーマーとして舞台を経験。そして2021年の第63回において、世界的メガヒットとなった英語シングル「Dynamite」でアジアのポップグループとして史上初のノミネートを果たしました。対象となったのは、実力派がひしめく最優秀ポップデュオグループパフォーマンス賞(Best Pop Duo/Group Performance)です。
さらに2022年の第64回では「Butter」で2年連続の同部門ノミネート、2023年の第65回ではコールドプレイとのコラボ曲「My Universe」で3年連続の同部門候補となったほか、「Yet to Come」で最優秀ミュージックビデオ賞にも名を連ねました。しかし、ファンが切望したBTSグラミー賞受賞結果は、いずれも「受賞ならず」。歴史的なノミネートを重ねながらも、最後の壁を突破することは叶いませんでした。
世界を熱狂させた伝説のステージ|「Dynamite」と「Butter」の圧巻パフォーマンス
受賞には至らなかったものの、グラミー賞の歴史に深く刻まれたのが彼らのライブアクトです。コロナ禍の真っ只中で開催された2021年のDynamiteグラミー賞ステージでは、韓国・ソウルの高層ビルの屋上を舞台にしたダイナミックな演出を披露。夜景を背に踊る7人の姿は、世界中の視聴者に勇気と希望を届けました。
そして今なお語り継がれているのが、2022年の第64回で披露されたButterグラミー賞の単独パフォーマンスです。映画『007』を彷彿とさせるスパイ映画仕立ての演出で、客席のオリヴィア・ロドリゴとの即興のような寸劇から、レーザー光線をかいくぐるアクロバティックなダンス、ジャケットを使った華麗なルーティンまで、一瞬の隙もない完成度を披露しました。会場にいた錚々たるトップアーティストたちからスタンディングオベーションを浴びたこの瞬間は、授賞式のハイライトとして米メディア各社から「この夜最高のステージ」と絶賛されました。
授賞式後に公式YouTubeで公開されたBTSグラミー賞パフォーマンス動画は瞬く間に数千万回再生を突破。米ビルボードやローリング・ストーン誌などの批評家たちも、卓越した歌唱力とダンススキルを兼ね備えた圧巻のステージングを高く評価し、「トロフィーを持たずとも、この夜の真の勝者は彼らだった」と論評しました。
BTSはなぜグラミー賞を受賞できなかったのか?選考基準とアカデミーの「保守性」
多くの音楽ファンやメディアが疑問を抱いたのが、「グラミー賞BTSなぜ取れないのか」という根本的な問いです。ストリーミング再生数、CDセールス、グローバルチャートの実績において、彼らは間違いなく2020年代初頭の音楽シーンを牽引していました。それにもかかわらず受賞を逃し続けた背景には、主催団体であるレコーディング・アカデミーが抱える特有の体質が存在します。
最も大きな要因として指摘されるのが、グラミー賞選考基準と保守性です。グラミー賞は一般のファン投票ではなく、音楽業界の関係者(プロデューサー、エンジニア、ミュージシャンなど)で構成されるアカデミー会員の投票によって決まります。この投票層は歴史的に白人男性や中高年層が多く、ヒップホップ、ダンスミュージック、そして「ボーイバンド」や「K-POP」といった大衆的なアイドルカルチャーに対して根強い偏見や警戒心を抱いてきました。
また、BTSがノミネートされた「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス賞」の競合相手の顔ぶれも影響しました。2021年はレディー・ガガ&アリアナ・グランデ、2022年はドージャ・キャット&SZAと、米国メインストリームで圧倒的な権威を持つアーティストたちが受賞。アカデミー会員が親しみやすい英米の伝統的なポップスターを優先して選ぶ傾向が如実に現れた結果でもありました。
さらに一部の米有力メディアは、グラミー賞側が視聴率とSNSでの話題性を稼ぐためにBTSを大々的にプロモーションし、パフォーマンスで番組を盛り上げさせながら、肝心の主要な賞は与えない「視聴率の客寄せパンダ(Viewership Bait)」として利用したのではないかと厳しく批判しました。この権威主義的な姿勢は、グラミー賞自体の時代錯誤感を浮き彫りにする契機にもなりました。
「理不尽な結果」に揺れた世界|ARMYの反応とSNS上の大論争
発表の瞬間ごとに、SNS上では巨大な波紋が広がりました。授賞式当日のBTSグラミー賞ネットの反応はすさまじく、X(旧Twitter)では「#Scammys(グラミーと詐欺を掛けた造語)」や「BTS Our Greatest Award」といったワードが世界トレンドの1位を独占。審査の不透明さに抗議する声が溢れ返りました。
一方で、熱狂的なファンコミュニティであるARMYの反応グラミー賞に対する姿勢は、怒りだけに留まりませんでした。落胆するメンバーを励ますため、過去の楽曲を各国のチャートに再浮上させるストリーミング運動を展開。「グラミー賞がBTSを定義するのではなく、BTSが時代の音楽を定義している」という連帯のメッセージを世界規模で発信しました。
メンバー自身も受賞を逃した直後のライブ配信で率直な悔しさを滲ませつつ、「ファンの皆さんがいてくれることこそが最大の賞」「次はもっと良い姿を見せる」と前を向く姿勢を示しました。悔しさを共有しながらもファンとアーティストの絆をより強固なものへと昇華させたこの一連の出来事は、彼らの精神的な強さを世界に印象付けることになりました。
ソロ活動での挑戦と現在地|メンバー個々のグラミー賞ノミネート動向
グループ活動の一時休止と軍服務期間中、メンバー7人はそれぞれのアイデンティティを打ち出したソロプロジェクトを活発化させました。ジョングクの「Seven (feat. Latto)」が米ビルボード「Hot 100」で初登場1位を獲得したのを筆頭に、ジミン、RM、SUGA、V、J-HOPE、ジンが次々とチャートを席巻。ここでもBTSソロ活動グラミー賞ノミネートの可能性がメディアで大きく取り沙汰されました。
個々の作品はグラミー賞の選考対象期間ごとにエントリーされ、批評家からの高い評価を集めました。ポップ、ヒップホップ、インディーロック、R&Bなど、多彩な音楽性を提示したことで、「BTSというグループの強みは、独立した7人のトップアーティストの集合体であること」を証明してみせたのです。
ソロ活動を通じて欧米の批評家層からのリスペクトをさらに深めた経験は、グループとしての表現の幅を大きく押し広げました。2026年に全員が集結した今、かつてのような「アメリカ進出のための英語曲」という枠組みにとどまらず、より深化した芸術性を持つ楽曲でグラミーに再対峙できる基盤が完全に整っています。
【グラミー 賞 bts】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:BTSはこれまでグラミー賞を一度も受賞したことがないのですか?
A1:はい。BTSはグループとして通算5回以上のノミネートを果たし、授賞式での単独パフォーマンスも複数回披露していますが、現在までにトロフィーを獲得した実績はありません。
Q2:「Dynamite」や「Butter」で敗れた相手は誰でしたか?
A2:2021年(第63回)の最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス賞はレディー・ガガ&アリアナ・グランデの「Rain On Me」、2022年(第64回)はドージャ・キャット&SZAの「Kiss Me More」が受賞しました。いずれも全米チャートで記録的ヒットを放った強豪でした。
Q3:2026年の完全体復帰以降、BTSがグラミー賞を受賞する可能性はありますか?
A3:十分にあります。全員が兵役を終えて復帰したことで世界的な関心が最高潮に達している上、メンバー全員がソロ活動を経てアーティストとしての評価を高めました。アカデミー側も選考会員の多様化を進めており、今後のリリース曲次第で悲願の受賞を果たすチャンスは残されています。
まとめ:完全体で再始動するBTSが目指すグラミー賞のその先
グラミー賞におけるBTSの挑戦は、単に一組のアジア系グループが栄冠を目指した物語ではありません。欧米中心主義が根深く残る世界の音楽界に対して、言語や国境、人種の壁を壊して挑み続けた文化的闘争の記録そのものです。
軍服務という大きな節目を越え、2026年に完全体としての新章を開いた彼らにとって、グラミーのトロフィーはもはや最終ゴールではないのかもしれません。既存の権威に迎合することなく、自らの音楽とパフォーマンスで世界を繋ぎ続ける彼らの歩みは、授賞式の勝敗という枠を遥かに超えた場所で、ポップミュージックの歴史を塗り替え続けています。 (出典: グラミー 賞 bts(Yahoo!ニュース))